浮世絵 名所絵
   
 
                                                        百橋一覧(部分) 絵:前北斎為一(葛飾北斎) 文政6年(1823)

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名所絵

 名所絵・風景画は江戸時代以前にも襖絵、屏風絵や掛け軸の水墨画などといった体裁で数多く描かれてきた。それらはすべて肉筆画であり伝統的な技量を持つ絵師によって描かれてきた。戦国時代が終わり江戸時代になり、世の中が安定するとこうした需要もより多くなったと思われますが、一般人がそれを気軽に手にする機会はやはり限られていたと思われます。
 江戸時代の約260年間は大きな戦争も起こらなかった。日本の歴史の中でも極めてまれな時代といえる。これまでは物見遊山を目的として一般人が各地を旅することはほぼ不可能なことで、僧侶、武士、一部の商人の、そのなかでもごく限られた層しか可能でなかったが、治安が安定し、商業活動も活発となり、日本各地で生産される商品が活発に取引されるようになると、それに連れて人の動きも多くなる。一般人が他国へ移動することが珍しい事でもなくなってくる。現在とは比較にならないほどの制約があるものの、一般人が商業活動で他国を訪れること、信仰のために神社仏閣を訪ねること、その過程で各地の名所に立ち寄ることは、これまでの時代に比べれば格段にその機会は増していたと思われます。こうしたことを背景に人々の各地の名所を巡る旅に出たいとの思いは、名所絵・風景画の需要につながり、なかでも手軽に手にすることができる浮世絵や絵草子がもてはやされたものと思われます。十返舎一九の東海道中膝栗毛はベストセラーとなり、歌川広重の名所画は数多く出版されている。
 想像をたくましくしてこれらの浮世絵・絵草子をながめれば、江戸時代に生きている気分で楽しい一時が過ごせるのではと思います。

     
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 江戸の地図

 新版江戸大絵図 江戸方角安見図鑑   江戸切絵図
 明暦3年(1657)の「明暦の大火」の後、幕府の命により江戸市中を初めて西洋測量術を用いて測量。その資料を基に遠近道印が編集・作成した江戸の地図。寛文10年(1670)に経師屋加兵衛により出版。   乾・坤2巻の冊子。各巻見開き39ページ、合計78ページに江戸市中の地図を分割して掲載。各ページに方位盤を記して方角、距離の縮尺等当時としては正確に描かれた地図帳。延宝8年(1680)表紙屋市郎兵衛により出版。  幕末期の嘉永年間(1848~)に刊行された江戸の切絵図。武家、寺社、町家、川、堀、山林、農地などが色分けされ、また寺社などが絵入で表現されている。全28枚。版元は尾張屋清七。 

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増補江戸大絵図(一部切取)  天和2年(1682) 表紙屋市郎兵衛 刊 

万宝御江戸絵図(一部切取)  安政3年(1856) 大和屋万助 刊 

 江戸城図 江戸末期 

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