浮世絵 和歌・狂歌絵本 
   
 
                           絵:喜多川歌麿  寛政1年(1789)刊 狂歌絵本「狂月坊」より

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和歌・狂歌絵本

       
和歌    狂歌       俳諧・川柳

 やまとうたは、人の心を種として、万の言の葉とぞなれりける。 世の中にある人、ことわざ繁きものなれば、心に思ふことを、見るもの聞くものにつけて、言い出せるなり。花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生けるもの、いづれか歌をよまざりける。力をも入れずして天地を動かし、目に見えぬ鬼神をもあわれと思はせ、男女の中をも和らげ、猛き武士の心をも慰むるは歌なり。・・・古今和歌集序文より
 歌よみは 下手こそよけれ あめつちの 動き出(いだ)して たまるものかは
                    ・・・宿屋飯盛(やどやのめしもり)江戸天明期の狂歌人。石川雅望。

 やまとうた(和歌)の真髄がどのようなものかを古今和歌集の序文が語っている(ように思う)。和歌の素養のない私にはこれを読んでも理解しえないが、それほどに構えなくとも普段の心づもりで和歌に接すればそれなりに楽しいものだと思っている。宿屋飯盛さんはなまじ上手に歌を詠んで、それが原因で天地が動くようなことになれば大変だと、狂歌に詠み込んで遊んでいる。
 五七五調の文章は今の世では人気がなく廃れてしまったようですが、たまには文人気取りで一首したためれば風雅な心地に浸ることができそうな気がする。それに日本語を忘れないためにもいいのかもしれない。和歌にしろ狂歌にしろ31文字の中に自分のさまざまな思いを詰め込む作業は、きっと日頃の生活にはりと彩りをもたらしてくれると思います。
 江戸時代に刊行された和歌・狂歌に関する絵草子、また関連する浮世絵を集めてみました(掲載作品は全て著作権保護期間が満了し国立国会図書館のデジタルコレクションで公開されているものです)。江戸時代の崩し文字が判読できなくとも、挿絵や浮世絵をを眺めるだけでも面白いのでは。


 和歌    

 自賛歌註
 絵:菱川師宣
 作:宗祇
 出版年:延宝7年(1679)  版元:須原屋茂兵衛

 名所和歌の道引
 絵:菱川師宣
 出版年:天和2年(1682)  版元:松会

 藤川和歌百首
 絵:菱川師宣 
 出版年:天和3年(1683)  版元:鱗形屋 

 みや支野
 絵:菱川師宣 
 出版年:  版元:山本九左衛門
 タイトルの「みや支野」は旧所蔵家の添書きによるもので原題は不明。草花と男女の絵、それに因む和歌を記載 

 千代見草
 絵:西川祐信
 出版年:寛保1年(1741)  版元:毛利田庄太郎

 貝歌仙
 絵:西川祐信
 出版年:延享5年(1748)  版元:鱗形屋孫兵衛

 花葛羅
 絵:鈴木春信
 作:禿箒子
 出版年:明和1年(1764)  版元:山崎金兵衛

 八千代草
 絵:鈴木春信
 作:禿箒子
 出版年:明和5年(1768)  版元:山崎金兵衛

 藻塩草
 絵:北尾重政
 出版年:明和5年(1768)  版元:雁金屋儀助

 雅俗画源氏
 絵:北尾重政
 出版年:天明8年(1788)  版元:西村源六

 源氏香の図
 絵:三代歌川豊国  
 出版年:弘化1年(1844)~弘化4年(1847)
 版元:山本屋平吉 
 源氏物語54帖の絵に主要な和歌を添える

 吾妻けんし
 絵:三代歌川豊国
   二代歌川国貞
 
 出版年:嘉永5年(1852)慶応1年(1865)版元:桐谷堂
 画帖 1巻 源氏54帖を当世風俗描き、源氏物語の和歌を添える   三代豊国30図、二代国貞が24図描く 

 風俗四季歌仙
 絵:鈴木春信
 作: 
 出版年:  版元:
 浮世絵 昭和の初期に高見澤木版社により復刻されたものです。 


 小倉山百人一首
 絵:菱川師宣
 出版年:延宝8年(1680)  版元:
 現存本は他にフランス国立図書館が保有するのみ。

 姿絵百人一首
 絵:菱川師宣
 出版年:元禄8年(1695)  版元:木下甚右衛門

 倭詞接木花
 絵・作:下川辺拾水
 出版年:明和6年(1769)  版元:

 錦百人一首あつま織
 絵:勝川春章
 編:渡辺寛
 出版年:安永4年(1775)  版元:雁金屋儀助

 百人一首うばがゑとき
 絵:前北斎卍
 出版年:天保10年(1839)  版元:

 英雄百人一首
 絵:歌川貞秀
 作:緑亭川柳 
 出版年:弘化2年(1845)  版元:山口屋藤兵衛 

 秀雅百人一首
 絵:前北斎卍 他 
 作:緑亭川柳
 出版年:弘化5年(1848)  版元:
 北斎が口絵と10丁(20ページ20人)、国芳、重信、英泉。三代豊国が各々10丁(20人)を描く 

 奇人百人一首
 絵:葛飾為斎
 作:緑亭川柳 
 出帆年:嘉永5年(1852)  版元: 
 為斎が口絵、国芳、貞秀、国輝、芳虎、三代豊国が各々10丁(20ページ20人)を描く

 詳解風俗見立百人一首
 絵:
 作: 
 出版年:  版元: 

 小倉擬百人一首
 絵:歌川国芳 広重
   三代豊国  
 出版年:  版元:伊場仙 


 三十六歌仙   出版年:寛文1年(1661)  版元:林和泉掾
 藤原公任によって選定された三十六歌仙のほか新三十六歌仙、女房三十六歌仙などを掲載 

 三十六歌仙・光悦
 絵:本阿弥光悦 
 出版年:慶長年間(1596~1614) 
 三十六歌仙の歌人を光悦が描く

 歌仙金玉抄
 絵:
 編:山雲子 
 出版年:天和3年(1683)  版元:金屋半右衛門
 三十六歌仙の詳細紹介 

 謌仙雲井花
 絵:勝川春章
 編: 
 出版年:寛政1年(1789)  版元:山崎金兵衛
 三十六歌仙絵本

 女房三十六歌仙
 絵:鳥文斎英之 
 出版年:寛政13年(1801)  版元:西村屋与八
 女房三十六歌仙の歌人を見開きページに一人ずつ描く 

 三十六歌仙貝合画譜
 絵:
 編:西村貌庵 
 出版年:天保12年(1841)  版元:
 貝見立三十六歌仙 

 見立三十六歌撰
 絵:三代歌川豊国
 作: 
 出版年:嘉永5年(1852)  版元:伊勢兼 


 七十一番職人歌合
 絵:土佐光信
 出版年:明暦3年(1657) 版元:谷岡七左衛門
 室町時代、明応9年(1500)ごろの職人を題材とした歌合。71番142職種の職人の歌、姿絵が描かれている。

 和国諸職絵つくし
 絵:菱川師宣
 出版年:貞享2年(1685) 版元:
 七十一番職人歌合をもとに、職人の姿絵は菱川師宣が描く。ただし31番しかない。

 東北院職人歌合
 絵:三熊思孝(模写) 
 出版年:寛政1年(1789)  版元:
 鎌倉時代、建保2年(1214)に行われた歌合を題材とする。12番、24種の職人の歌、姿絵が描かれている。

 江戸職人歌合
 絵:
 作:石原正明 
 出版年:文化5年(1808)  版元:永楽屋東四郎 


 むしのうた合
 絵:
 作:
 
 出版年:寛永年間(1624~1643 版元:
 和歌絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です 

 とりのうた合
 絵:
 作:
 
 出版年:寛永年間(1624~1643 版元:
 和歌絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です 

 うをのうた合
 絵:
 作:
 
 出版年:寛永年間(1624~1643 版元:
 和歌絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です 

 けだ物の歌合
 絵:
 作:
 
 出版年:寛永年間(1624~1643 版元:
 和歌絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です 

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