浮世絵 名所絵(街道絵) 
 
    

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浮世絵東海道五十三次53 大津(おおつ)

三条大橋  ←3里 大津  3里24丁→ 草津

東海道分間之図  編:遠近道印 絵:菱川師宣 出版年:元禄3年(1690)

大津宿
 草津宿から琵琶湖東岸を南下して勢田(瀬田)の唐橋に至る。近江八景の一つ「勢田の夕照」はここからの景色。勢田は蛍も有名で芭蕉もこの地を訪れた際にほたる狩をしたようだ。「ほたる見や 船頭酔うて おぼつかな」(元禄3年・1690)の句を残している。どうやら船頭が客から勧められた酒に酔ってしまったようだ。
 勢田の唐橋を渡れば膳所(ぜぜ)藩7万石の城下町に続く。膳所城は慶長6年(1601)に大津城を廃城して、その一部を使用して築城。本丸は琵琶湖水面に突き出して築かれた。城下町も移転したが街並みは膳所から大津まで途切れなく続いていた。膳所の城下を過ぎる辺りに石場の船着場がある。草津の矢橋から船便の旅人もここで下船した。
 もともと大津は琵琶湖の水運を利用した湊町として発展し、また東海道をはじめ北国街道、奈良、大阪方面に抜ける街道が分岐する交通の要衝で古くから人の往来、物資の運送が絶えることはなかった。天保14年(1843)の記録では本陣2軒、脇本陣2軒、旅籠屋71軒あった。宿場町の町並みは4.5kも続いていた。本陣は札の辻辺りにあり、札の辻は北国街道の分岐点でもあった。札の辻で東海道は直角に曲がって琵琶湖の湖畔を離れ逢坂山の山道に向って伸びている。
 広重の保永堂版東海道五十三次の大津宿の図に描かれた走井(はしりい)茶屋は逢坂山の坂を下った大谷付近にあった。またこの付近は名物の大津絵を売る店が軒を連ねていた。大津絵は江戸時代初期の寛永(1624~)頃に始まったとされる戯画。当初は仏画が中心であったが後に鬼の念仏、藤娘、瓢箪鯰などを主題とした泥絵が主流になる。筆勢に素朴な味があり、宝暦時代(1751~1763)の川柳に「ぶきように書くが大津の上手なり」「大津絵のよく出来たのはうれ残り」がある。元禄4年(1691)の正月に芭蕉はこの地に滞在し「大津絵の筆の始めは何仏(なにぼとけ)」の句(歳旦句)を残している。芭蕉の時代の大津絵は仏画が中心であったようだ。
 大津宿の東口に東海道から分かれて伏見、大阪、奈良方面に向う街道の分岐点・大津追分がある。東海道を進めば東海道五十三次の終点(起点)・京の三条大橋へ。伏見方面に進めば伏見宿に向う。
 

 東海道名所図会 勢田橋
出版年:寛政9年(1797) 

 伊勢参宮名所図会 勢田橋
出版年:寛政9年(1797) 

 東海道名所図会 勢田 蛍狩
出版年:寛政9年(1797) 

 伊勢参宮名所図会 膳所城
出版年:寛政9年(1797) 

東海道五十三次 大津 石場 
絵:歌川広重  出版年:天保13年(1841) 版元:鶴屋喜右衛門

 伊勢参宮名所図会 大津 石場
出版年:寛政9年(1797) 

 伊勢参宮名所図会 大津八丁札の辻
出版年:寛政9年(1797) 

 伊勢参宮名所図会 逢坂山
出版年:寛政9年(1797) 

 東海道名所図会 名物大津絵の店
出版年:寛政9年(1797) 


五十三駅景色入美人画・大津 
絵:歌川国貞  出版年:天保年間 

東海道五十三対・大津 
絵:歌川広重  出版年:天保年間 


五十三次図会・大津
絵:歌川広重  出版年:嘉永年間(1848~1854)

東海道五十三次之内 大津・走井茶屋 
絵:歌川広重  出版年:天保4年(1833)~ 版本:保永堂 

駅路の鈴(東海道五十三次)・大津 
絵:北斎  出版年: 

 東海道名所図会 大津宿 走井
出版年:寛政9年(1797) 

 伊勢参宮名所図会 走井
出版年:寛政9年(1797) 

 伊勢参宮名所図会 大津追分
出版年:寛政9年(1797) 

道中画譜・大津  道中画譜・草津  
絵:前北斎為一(葛飾北斎)  出版年:天保1年(1830) 版元:東壁堂 

東海道風景図会・大津   
絵:歌川広重  出版年:嘉永4年(1851)  

 役者見立東海道五十三次駅・大津  五十路の駅・大津
  絵:三代豊国 出版年:嘉永5年(1852)   絵:三代歌川豊国 出版年:嘉永5年(1852) 

双筆五十三次・大津 
絵:三代歌川豊国 歌川広重  出版年:安政1年(1854)

五十三次名所図会・大津
絵:歌川広重  出版年:安政2年(1855)

 東海道名所風景 大津  末広五十三次 大津
絵:二代広重 出版年:文久3年(1863)  絵: 出版年:慶応1年(1865) 

 東海道五十三駅之図・大津
絵:長谷川雪旦 文政年間(1818~1829) 

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