浮世絵 歌川貞秀 
   
 
                 小春にわ   絵:歌川貞秀 出版年:天保14年(1843)~弘化4年(1847) 版元:山本平吉

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  歌川貞秀 (うたがわ さだひで)  

 歌川貞秀は文化4年(1807)に下総国布佐(現在の我孫子市)で出生したとされる。没年は明治12年(1879)という説もあるが正確には分かっていない。本名は橋本兼次郎。歌川国貞に入門し歌川貞秀と名乗る。後に五雲亭貞秀、玉蘭斎貞秀、橋本貞秀などと号した。文政中頃から合巻などの挿絵を描く。国貞(三代目豊国)が文政11年(1828)に初代豊国の記念碑を本所柳島妙見堂に建立した際、国貞門下11名の名前が碑の背面に記されたが、貞秀はその四番目に記されており、22歳の若さで才能・実力を認められていたと思われます。師の国貞が天保15年(1844)に豊国の名を継いだ際、本来は三代目であったが国貞は二代目を称たことに貞秀は反発していたようで、正義感が強く一本気な性格であったようだ。
 アメリカなど5か国との間で締結された修好通商条約により安政6年(1859)に横浜が開港すると、貞秀は現地に赴き多くの浮世絵を残している。また各地を旅行して鳥瞰図的な構図の名所絵を多く描く。
 慶応3年(1867)のパリ万博に浮世絵が出品されたが、貞秀は歌川芳宗(国芳の門人)と共に浮世絵師の代表として参加している。明治8年(1875)ごろまでの作品が残されているようですが、その後の消息が不明。幕末の浮世絵界に活躍した絵師ではあったが、謎に満ちた浮世絵師であったようだ。
 

合 巻 滑稽本 咄本 浮世絵 絵本 横浜絵



合 巻    

 嗚呼忠臣楠子由来
 絵:歌川貞秀
 作:五柳亭徳升
 出版年:天保1年(1830)  版元:森屋治兵衛
 合巻 5冊
 

 一之谷青葉後記
 絵:歌川貞秀
 作:二代恋川春町
 出版年:天保2年(1831)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 5冊
 

 忠臣再講釈
 絵:歌川貞秀
 作:二代恋川春町
 出版年:天保3年(1832)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 6冊
 

 義経越路松
 絵:歌川貞秀
 作:十返舎一九
 出版年:天保3年(1832)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 6冊
 

 忠臣店請状
 絵:歌川貞秀
 作:十返舎一九
 出版年:天保4年(1833)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 4冊
 

 油町製本菜種黄表紙
 絵:歌川貞秀
 作:笠亭仙果
 出版年:天保5年(1834)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 4冊
 

 関東小六昔舞台 前帙
 絵:歌川貞秀
 作:柳亭種彦
 出版年:天保6年(1835)  版元:西村屋与八
 合巻 4冊
 文政12年(1829)刊行の再刻版
 

 関東小六昔舞台 後帙
 絵:歌川貞秀
 作:柳亭種彦
 出版年:天保6年(1835)  版元:西村屋与八
 合巻 4冊
 文政12年(1829)刊行の再刻版
 

 上州機筆綾織
 絵:歌川貞秀
 作:柳屋菊彦
 出版年:天保6年(1835)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊
 

 薊花恋苧車
 絵:歌川貞秀
 作:為永春水
 出版年:天保6年(1835)  版元:西村屋与八
 合巻 4冊
 

 頼朝一代記
 絵:歌川貞秀
 作:二代楚満人
 出版年:天保6年(1835)  版元:川口正蔵
 合巻 5冊
 

 朧染浮名之色衣
 絵:歌川貞秀
 作:墨春亭梅麿
 出版年:天保6年(1835)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 4冊
 

 操競優軍配
 絵:歌川貞秀
 作:式亭小三馬
 出版年:天保7年(1836)  版元:山本平吉
 合巻 6冊
 

 鶯袖花鎗梅
 絵:歌川貞秀
 作:墨春亭梅麿
 出版年:天保7年(1836)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 4冊
 

 源平武者鏡
 絵:歌川貞秀
 作:宝田千町
 出版年:天保7年(1836)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 6冊
 

 碁太平記白石噺
 絵:歌川貞秀
 作:
 出版年:天保7年(1836)  版元:和泉屋市兵衛
 合巻 4冊
 

 大和錦守袋
 絵:歌川貞秀
 作:坂東三津五郎
 出版年:天保7年(1836)  版元:竹内孫八
 合巻 4冊
 

 紫房紋の文箱
 絵:歌川貞秀
 作:仙客亭伯林
 出版年:天保7年(1836)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊
 

 成瓢箪末広酒盃
 絵:歌川貞秀
 作:墨春亭梅麿
 出版年:天保8年(1837)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 4冊
 

 妹背結千筥玉章
 絵:歌川貞秀
 作:墨春亭梅麿
 出版年:天保8年(1837)  版元:和泉屋市兵衛
 合巻 4冊
 

 梅薫雪室咲
 絵:歌川貞秀
 作:式亭小三馬
 出版年:天保8年(1837)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 6冊
 

 花筏月浮舟
 絵:歌川貞秀
 作:式亭小三馬
 出版年:天保8年(1837)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 4冊
 

 昼夜帯雪与擂墨
 絵:歌川貞秀
 作:墨春亭梅麿
 出版年:天保8年(1837)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 4冊
 

 復讐国字茶話文庫
 絵:歌川貞秀
 作:丹頂庵鶴丸
 出版年:天保9年(1838)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 4冊
 

 為朝一代記
 絵:歌川貞秀
 作:藤寿亭松竹
 出版年:天保9年(1838)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 4冊
 

 忠孝縷糸錦
 絵:歌川貞秀
 作:墨春亭梅麿
 出版年:天保9年(1838)  版元:山本平吉
 合巻 4冊
 

 金花猫姿化生舗
 絵:歌川貞秀
 作:大海舎金竜
 出版年:天保9年(1838)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊
 

 店絃緒連弾
 絵:歌川貞秀
 作:笠亭仙果・三亭春馬合作
 出版年:天保9年(1838)  版元:西村屋与八
 合巻 6冊
 

 本調子三筋糸巻
 絵:歌川貞秀
 作:山東京山
 出版年:天保10年(1839)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 6冊
 

 江戸紫肌身白雪
 絵:歌川貞秀
 作:南杣笑楚満人(遺稿)
 出版年:天保10年(1839)  版元:西村屋与八
 合巻 4冊
 

 柳蔭古着新廓
 絵:歌川貞秀
 作:笠亭仙果
 出版年:天保10年(1839)  版元:山本平吉
 合巻 6冊
 

 名仮宅比六歌仙
 絵:歌川貞秀
 作:一亭万丸
 出版年:天保10年(1839)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 4冊
 

 桜風呂花半開
 絵:歌川貞秀
 作:白雲洞主人
 出版年:天保10年(1839)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 4冊
 

 佐野渡怨敵懸橋
 絵:歌川貞秀
 作:緑亭仙橋
 出版年:天保10年(1839)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊
 

 繁々夜話語園菊
 絵:歌川貞秀
 作:梅舎春鳥
 出版年:天保10年(1839)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 4冊
 

 秋色香千種花園
 絵:歌川貞秀
 作:式亭小三馬
 出版年:天保11年(1840)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 4冊
 

 時花歌春連弾
 絵:歌川貞秀
 作:美図垣笑顔
 出版年:天保11年(1840)  版元:山本平吉
 合巻 4冊
 

 娘要文宝箱
 絵:歌川貞秀
 作:美図垣笑顔
 出版年:天保12年(1841)  版元:川口宇兵衛
 合巻 4冊
 

 思妻赤縄廼糸遊
 絵:歌川貞秀
 作:美図垣笑顔
 出版年:天保12年(1841)  版元:山本平吉
 合巻 4冊
 

 菊酒屋娘庭訓
 絵:歌川貞秀 三代歌川豊国
 作:山東京山
 出版年:天保12年(1841)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻4編16冊 初編二編は貞秀、三編四編は三代豊国が描く
 三編は弘化3年(1846)、四編は弘化4年(1847)刊
 

 笑門松和合寿
 絵:歌川貞秀
 作:松亭寿山
 出版年:天保13年(1842)  版元:藤岡屋彦太郎
 合巻 4冊
 

 恵方の富士初夢草紙
 絵:歌川貞秀
 作:宝田千町
 出版年:天保13年(1842)  版元:藤岡屋彦太郎
 合巻 6冊
 

 五十三駅梅東路
 絵:歌川貞秀 三代歌川豊国
 作:並木五瓶
 出版年:嘉永1年(1848)  版元:蔦屋吉蔵
 合巻 8冊
 

 雲雀山蓮糸織 初編
 絵:歌川貞秀
 作:玉蘭斎(歌川貞秀)
 出版年:嘉永1年(1848)  版元:大黒屋平吉
 合巻 4冊
 

 日本武者年代記
 絵:歌川貞秀
 作:玉蘭斎(歌川貞秀)
 出版年:嘉永2年(1849)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 4冊(落丁あり)
 

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滑稽本 咄本    

 百歌撰
 絵:歌川貞秀
 作:林家正蔵
 出版年:天保5年(1834)  版元:西村屋与八
 咄本 2巻
 

 落咄年中行事
 絵:歌川貞秀
 作:林家正蔵
 出版年:天保7年(1836)  版元:西村屋与八
 咄本 2巻
 

 宝合勢貢之蔵入
 絵:歌川貞秀
 作:林家正蔵
 出版年:天保8年(1837)  版元:西村屋与八
 滑稽本 3巻
 

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浮世絵 絵本    

 名所あわせ六玉川
 絵:五雲亭貞秀 
 出版年:天保14年(11843)~弘化4年(18479
 浮世絵 

 三都涼之図
 絵:五雲亭貞秀 
 出版年: 版元:藤慶
 浮世絵 

 英雄百人一首
 絵:歌川貞秀
 作:緑亭川柳
 出版年:弘化2年(1845)  版元:山口屋藤兵衛
 和歌絵本 1巻
 

 奇人百人一首
 絵:歌川貞秀 他
 作:緑亭川柳
 出版年:嘉永5年(1852)  版元:
 和歌絵本 1巻 葛飾為斎が口絵、国芳、貞秀、国輝、芳虎、三代豊国が各々10丁(20ページ20人)を描く
 

 万象写真図譜 1
 絵:玉蘭斎貞秀 
 出版年:元治1年(1864)  版元:園原屋正助
 絵本 1巻 

 万象写真図譜 2
 絵:玉蘭斎貞秀 
 出版年:元治1年(1864)  版元:園原屋正助
 絵本 1巻  

 末広五十三次
 絵:五雲亭貞秀 他 
 出版年:慶応1年(1865)  版元:
 浮世絵
 文久3年(1863)将軍家茂上洛の様子を描く 

 大日本国郡名所
 絵:橋本玉蘭斎貞秀 
 出版年:明治1年(1868)  版元:大貞
 浮世絵 

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横浜絵    

 横浜港図会
 絵:歌川貞秀・芳幾・芳虎
   芳員・芳盛・芳年
 
 出版年:万延1年(1860)~文久2年(1862)
 浮世絵
 開港からわずかな期間で急速に発展した横浜の様子が窺える。

 外国人姿絵・遊行図
 絵:歌川貞秀・芳虎・芳員
   芳幾・芳信・芳藤・芳年
 当時の一般の日本人にとって異人の姿形、生活習慣を目にすることは驚きであったと思う。しかしながら描かれた異人の様子は誇張されたものではなく、冷静に観察して描かれている。

 横浜名所一覧
 絵:五雲亭貞秀
 出版年:万延元年(1860)  版元:糸屋庄兵衛
 横浜名所28図を掲載
 

 横浜開港見聞誌
 絵:五雲亭貞秀
 作:玉蘭斎
 出版年:文久2年(1862)~慶応元年(1865)
 地誌 6巻 1~3巻は文久2年、4~6巻は慶応2年刊行
 玉蘭斎(貞秀)が見聞きした横花の様子を6冊の草紙にまとめた。
 

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