金々先生栄華夢は金村屋金兵衛という田舎育ちの青年が一旗挙げようと江戸へ向かい、目黒不動まで来たときに名物の粟餅を食べようと店に入り注文し、出来上がるのを待つ間にうたた寝をする。夢の中で、富豪の跡継ぎとなり栄華に暮らすが、遊蕩にふけって勘当され、途方にくれた時に夢から覚める。人の一生ははかないものだと悟って生れ故郷に戻るといったストーリー。中国のカン鄲(かんたん)説話にある廬生(ろせい)という人物がモデル。
”金々(きんきん)”というのは金の亡者を意味するものではなく、当時の流行語で「ちょっと色気のある粋なふるまい」といった意味だそうです。 |