浮世絵 武者絵・合戦記
   
 
           源平八嶋大合戦  絵師:歌川国芳 出版年:天保14年(1843)~弘化4年(1847)版元:川口屋卯兵衛

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浮世絵   絵草子   絵巻物

 江戸の人口は大凡100万人と言われている。その半数が武士階級。泰平の世にあって武士は浮世絵や絵草子の大きな購入層であったと同時に武家出身の浮世絵師も活躍し、戯作の執筆者も数多い。町人層においても武勇談や仇討物語などは人気があったようだ。このページでは主に武将や合戦物語を題材とした浮世絵や絵草子を集めてみました。
 掲載した作品は全てWEBで公開されている国立国会図書館デジタルコレクション(著作権保護期間満了)をもとに編集したものです。色合い、色彩、形状等、任意に修正加工していますので元画とは異なっている場合もあります。
 


浮世絵

 国芳の武者絵   太平記英勇傳  英雄六家撰 他 

 武者かがみ  
 絵:歌川芳虎
 出版年:安政6年(1859)  版元:山庄 

 源平英雄競  
 絵:歌川芳員
 出版年:  版元:三鉄

 瓢軍談五十四場
 絵:歌川芳艶
 出版年:  版元:紅英堂
 瓢は羽柴秀吉の馬印。秀吉軍団の戦場面を描く。秀吉は猿之助→此下宗吉郎→真柴久吉に変名し描かれている。

 日本歴史錦絵
 絵:歌川国芳 芳虎 他
 江戸後期(一部は明治初頭)に描かれた武者・合戦図。三枚一組70種の浮世絵を6ページに分割して掲載。タイトルの「日本歴史錦絵」はこれら浮世絵のコレクターの画帖名から。


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絵草子

 本朝百将傳
 作:
 絵:
 出版年:明暦2年(1656)  版元:大西与三左衛門尉俊光
 神代の武将から豊臣秀吉まで百人の武将を描く。 

 本朝武将傳  
 作:
 絵:
 出版年:明暦3年(1657)  版元:武内三郎兵衛
 明暦2年刊・本朝百将傳の改定版。説明文は同じだが武将像が当世風に描かれている。 

 本朝百人武将傳 
 作:
 絵:
 出版年:宝永7年(1710) 版元:野村 他
 明暦2年、3年の本朝百将傳、本朝武将傳のリメイク版。武将像も更新されて説明文も詳しくなっている。 

 大和武者絵 
 絵:菱川師宣
 出版年:貞享年間(1684~1688) 版元:鱗形屋三左衛門 

 武者考鑑  
 絵:西川祐信
 出版年:寛保4年(1744)  版元:菱屋治兵衛

 武者鞋  
 絵:北尾重政
 出版年:天明7年(1787)  版元:蔦屋重三郎 

 武将略伝  
 絵:北尾重政
 出版年:寛政2年(1790)  版元:蔦屋重三郎 

 日本武雄鏡
 絵:
 出版年:江戸中期  版元: 


 将門一代記1 
 絵:蘭徳斎(春童)
 作::
 出版年:寛政3年(1791)  版元:岩戸屋源八
 黄表紙 4冊 (将門一代記全5冊のうち1~4冊)

 将門一代記2 
 絵:蘭徳斎(春童)
 作::
 出版年:寛政3年(1791)  版元:岩戸屋源八
 黄表紙 5冊 (将門一代記全5冊のうち3~5冊)

 荵摺前九年
 作:
 絵:北尾政美  
 出版年:  版元:西宮新六
 戦記 1巻 奥州前九年の役を題材とした物語 

 奥州後三年記 
 作:玄徳
 絵:
 出版年:寛文2年(1662)  版元:林和泉尉
 戦記 1巻 永保3年(1083)~寛治2年(1088)におきた奥州での戦乱の記録。 

 保元物語 
 作:
 絵:
 出版年:貞享2年(1685)  版元: 
 戦記 3巻 保元の乱は保元1年(1156)天皇と院との政争に武士が加担。武力が政権を取ることの幕開けとなった戦い。

 平治物語 
 作:
 絵:
 出版年:貞享2年(1685)  版元:安田十兵衛
 戦記 3巻 平氏一門が権力を不動のものとする切っ掛けとなる平治の乱。

 待賢門平氏合戦  
 作:
 絵:
 出版年:寛永20年(1643)  版元:山本九兵衛
 絵入浄瑠璃本 平治の乱で待賢門の戦で敗れた源義朝とその家来鎌田正清の最期を描いた物語 

 平家物語  
 作:
 絵:
 出版年 明暦2年(1656)  版元
 戦記 12巻+1 

 平家物語
 作:
 絵: 
 出版年:元禄7年(1694)  版元:鱗形屋孫三郎
 絵入浄瑠璃本 7巻 


 頼朝三代鎌倉記
 絵:
 作:江島其磧
  
 出版年:正徳2年(1712)  版元:八文字屋八左衛門
 浮世草子 5巻 

 頼政名歌芝
 作:南仙笑楚満人
 絵: 
 出版年:寛政7年(1795)  版元:榎本屋吉兵衛 
 黄表紙 平氏政権下で源氏の最長老として従三位に昇格した源頼政の物語。以仁王の挙兵に呼応し平氏に敗れて宇治で最期を遂げる。

 源家武功伝
 作:南仙笑楚満人
 絵:勝川春英 
 出版年:文化2年(1805)  版元:榎本屋吉兵衛
 黄表紙 平家物語のうち、源氏の活躍の一部を描いたもの 

 源平武者鏡
 絵:歌川貞秀
 作:宝田千町 
 出版年:天保7年(1836)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 6冊 

 朝比奈一代記
 絵:蘭徳斎(春童)
 作: 
 出版年: 版元:西村屋与八 黄表紙5冊  鎌倉幕府御家人であった朝比奈三郎義秀の物語。義秀は建暦3年(1213)の和田合戦で幕府軍と対峙し活躍するが敗退。所領の安房へ退く。以後消息不詳。 

 二代大中黒
 作:南仙笑楚満人
 絵:勝川春英 
 出版年:寛政2年(1793)  版元:榎本屋吉兵衛
 黄表紙 新田義貞の次男新田義興の物語。鎌倉奪還を目指して挙兵するが矢口渡で最期をとげる。人形浄瑠璃「神霊矢口渡」のモデル。  

 北条九代序
 絵:鳥居清満
 作:
 
 出版年:  版元:鱗形屋孫兵衛
 黒本 鎌倉幕府執権、北条氏の物語 


 絵本太平記 
 絵:
 作::
 出版年:  版元:
 太平記のうち楠木正成、正行に関する物語

 絵本楠公記
 作:山田得翁斎
 絵:速水春暁斎 
 出版年:寛政12年(1800)  版元:田中吉兵衛 他
 読本 10巻 

 上杉軍物語・晴氏軍記
 絵:
 作:  
 表紙題箋は上杉軍物語。本文目録は晴氏軍記。足利晴氏は第4代古河公方。上杉、小田原北条を巻き込んだ当時の関東覇者を巡る戦の物語。 

 義氏軍記
 絵:
 作: 
 出版年:延宝6年(1678) 版元:鱗形屋
 足利義氏は第5代古河公方。父は第4代古河公方。母は北条氏綱の娘。上杉、武田、北条を巻き込んだ関東覇権をめぐる戦の物語。 


 絵本太閤記
 作:
 絵:
 出版年:元禄11年(1698)  版 元:鱗形屋 

 太閤記筆の連
 作:荘英
 絵:
 出版年:寛政11年(1799)  版元:
 黄表紙 5冊

 雑兵物語
 作:
 絵: 
 出版年:弘化3年(1846)雑兵は身分の低い兵卒。掲載本は足軽などの小者の体験談を纏めたもの。出版されたのは弘化3年だが、物語そのものは延宝・天和年間(~1683)には成立していたとされる。

 武術芸術秘伝図会
 絵:歌川国芳
 作:大森源正富
 
 出版年:安政2年(1855)  版元:和泉屋善兵衛
 武術本 1巻
 

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絵巻物

 前九年合戦  平安時代後期、永承6年(1051)~康平4年(1062)まで東北地方で起きた戦乱。実際には12年間の戦であった。陸奥の有力豪族安倍氏が朝廷に背き、朝廷は源頼義を派遣。頼義は出羽国の豪族清原氏の支援を受けて平定する。  

 後三年合戦   永保3年(1083)~寛治元年(1087)まで東北地方で起きた戦乱。実際には5年間の戦であった。前9年合戦で奥州で絶大の権勢を得た清原氏が滅亡し、奥州藤原氏が登場するきっかけとなった。 

 平治物語・三条殿焼討の巻  平治元年(1159)院政を布く後白河上皇を支える平清盛が熊野参詣に出た留守を狙い、後白河側の信西(藤原通憲)と権力闘争にあった藤原信頼および清盛と敵対していた源義朝が院御所・三条殿を襲撃。平治の乱が勃発する。  

 平治物語・信西の巻 保元の乱で権力を手にした信西は強引に政治を刷新しようとして多くの反感を生む。平治の乱が起きた要因の一つは信西の存在があった。信西は三条殿襲撃を事前に察して脱出するも追手に見つかり自害する。 

 平治物語・六波羅行幸の巻 清盛は政変の知らせで帰京。政変を起こした藤原信頼、源義朝の軍勢は少数で、京都の情勢は清盛優位に傾く。清盛は二条天皇を清盛の本拠である六波羅に移す。官軍となった清盛は信頼、義朝軍を打ち破る。

 平家物語 平家の栄華と没落を描いた軍記物語。江戸時代の一般的な版本は12巻で構成されている。このうち掲載絵巻には第9巻の「老馬」「一二之懸」「二度之懸」「坂落」「敦盛最期」「忠度最期」が描かれている。 

 平家物語・剣之巻 剣之巻は平家物語の一部であるのか独立した存在であるのかよくわからない。物語は清和源氏の祖である多田満仲が二振りの剣「髪切」「膝丸」を造らせたことから始まり「土蜘蛛」「大蛇退治」などの説話などを織り込む。合戦物語ではありません。 

 蒙古襲来合戦 当時中国大陸を支配していた元(モンゴル帝国)とその属国である高麗王国による日本侵攻。鎌倉時代の文永11年(1274)と弘安4年(1281)の2度にわたって行われた。いずれも侵攻は失敗している。当時の鎌倉武士団の様子が窺える絵巻。 

 結城合戦 結城合戦は永享7年(1435)の鎌倉公方足利持氏と関東管領上杉憲実が争った永享の乱が発端となり、永享12年(1440)に下総の結城氏ら関東諸豪族と室町幕府との間で起きた争い。室町幕府軍は結城城を包囲。嘉吉元年(1441)結城城は落城する。 

 関ヶ原合戦 日本国を二分し、その後の政治状況を決定付けた関ヶ原の戦。東軍が勝利し江戸幕府260年の歴史が始まる。 

 寛永行幸図・上巻
 御上洛行列之図・中下巻
 
出版年:寛永4年(1627)ころ。徳川秀忠、家光は幕府権力を誇示するために寛永3年に後水尾天皇を二条城に招き5日間の供応の宴を催す。内裏から二条城への行幸の様子を描いた絵巻。 

 御行幸次第  出版年:寛永年間(~1643)。「寛永行幸図・御上洛行列の図」と同じく寛永3年の二条城行幸の図。ただし異種本「寛永行幸記」をもとに復刻し手彩色を加えたもの。 


 甲陽軍鑑  作成時期 江戸中期
 戦国大名武田氏の戦術、戦略を記した軍学書。挿絵は金泥、泥絵具を用いた豪華なつくりで奈良絵本の体裁。全35巻

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