浮世絵 名所図会

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 名所図会

 名所図会(めいしょずえ)はタイトルのごとく”図会(絵)”を主体とした名所案内書。安永9年(1780)に京都の須原屋平左衛門・他が版元となり出版された「都名所図会」がその最初とされ、その後各地の名所図会が出版された。それまでの名所案内は旅行記風のものが多かったが、名所図会は純粋に名所の案内に徹し、挿絵の数も多いことから戯作者や浮世絵師の種本として活用されることも多々あったとされる。このサイトに掲載した浮世絵名所絵に名所図絵に掲載された挿絵の構図とまったく同一と思われるものもいくつかある。現代においても名所図絵に記載された名所がどのように変化しているのか比べてみるのも面白い。

 都名所図会
 絵:竹原春泉斎
 作:秋里籬蔦   
 出版年 安永9年(1780)  版元 須原屋平左衛門・他
 絵を主体とした名所案内。この出版が好評であったことから、以後各地の名所図会が出版されるきっかけとなった。掲載本は天明6年(1786)の再刻版です。全6巻、6冊。 

 摂津名所図会 
 絵:竹原春泉斎
 作:秋里籬蔦   
 出版年 寛政8年(1796)〜寛政10年(1798) 版元 森本太助 他
 摂津国は概ね現在の大阪府の淀川以北と兵庫県東南部を加えた地域。
 全12巻 

 和泉名所図会 
 絵:竹原春泉斎
 作:秋里籬蔦  
 出版年 寛政8年(1796)  版元 高橋平助高橋平助 他 
 和泉国は4郡からなり、概ね現在の堺市、高石市、和泉市、泉大津市、岸和田市、貝塚市、泉佐野市、泉南市、阪南市の一部または全部。
 全4巻

 河内名所図会
 桃渓
 作:秋里籬蔦  
 出版年 享和1年(1801) 版元 森本太助 他
 河内国の範囲は生駒山地、金剛山地の西側に沿った細長い地域で、おおむね現在の大阪府東部に位置する。江戸時代は16郡あった。
 全6巻 

 伊勢参宮名所図会
 絵:蔀関 月
 作: 
 出版年 寛政9年(1797)  版元 塩屋忠兵衛 他
 京都を起点とした伊勢神宮への参拝案内書。江戸からは東海道名所図会を利用して桑名・四日市から伊勢道に入れば本書と繋がる。
 全6巻(5巻6冊) 

 東海道名所図会
 絵:竹原春泉斎 他
 作:秋里籬蔦  
 出版年 寛政9年(1797)  版元 田中庄兵衛・他
 京都を出発点として日本橋までの行程で全6巻。街道筋の名所案内だけでなく、街道から5〜7里離れた名所も記載。挿絵の数は200点以上ある。 

 江戸名所図会 
 絵:斎藤長秋 他
 作:長谷川雪旦
 出版年 1〜3巻:天保5年(1834) 4〜7巻:天保7年(1836)
 版元 須原屋伊八 他
 江戸神田の名主斎藤家三代に亘って編纂した労作。全7巻20冊。 

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