浮世絵 歌川国安 
   
 
    

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歌川国安(うたがわ くにやす)

 歌川国安は安政6年(1794)に生まれたとされるが、生い立ちについての資料が見当たらない。初代豊国の門人であるが文化5年(1808)国安が14歳ころに描いた役者絵に「豊国門人国安」の落款があることから、その時までには入門していたことになる。また当初は師匠のもとに寄宿していたとされるので生家に事情があってのことかもしれない。また一時的に画名を「西川安信」に改名したこともあったようだが、その理由もよくわからない。画名変更は短期間ですぐに元の国安に戻ったようだ。このサイトで掲載の国安の最も早い作品は文化8年(1811)で、それ以降文政3年(1820)まで出版した作品が見られないので何か事情があったことが窺われる。
 浮世絵師伝などの書籍の記載には”美人画””役者絵”にすぐれた作品があると書かれているが、残念ながらこのサイトに充分な作品の掲載はありません。読本、合巻本の挿絵は多く描いていて(確実な資料によるものではないが)合巻78作品、読本3作品を描いている。几帳面で口うるさい曲亭馬琴は自身の著作「風俗金魚伝」の挿絵を描いた国安を”納期に遅れない律儀な仕事ぶり”として評価している。師匠の豊国は挿絵の完成が遅延したことで式亭三馬と大喧嘩したと伝えられているが(その後和解)、弟子の国安は真面目な性格であったようだ。
 初代豊国の門人の中で、国貞(三代豊国)を別格にして国安は「国丸」「国直」と共に豊国門人三羽烏と称された実力を持っていたが天保3年(1832)39歳の若さで病死する。

 浮世絵 文化年間(~1817) 文政1年(1818) 文政2年(1819)
 文政3年(1820)  文政4年(1821)  文政5年(1822)  文政6年(1823)
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 天保3年(1832~)      

 浮世絵    

 浮世絵 魚市繁栄図    出版年:  版元: 

 浮世絵 国安の役者絵    出版年:  版元:

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 文化年間(~1817)    

 五人揃紋日大寄
 絵:歌川国安
 作:益亭三友 
 出版年:文化8年(1811)  版元:西宮新六 
 合巻 3冊

 豊の伊呂波
 絵:歌川国安・歌川国満
 作:竹塚東子 
 出版年:文化8年(1811)  版元:西村屋与八 
 合巻 5冊
 前編3冊の挿絵を国安、後編2冊の挿絵を国満が描く。

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 文政3年(1820)    

 福茶之口切
 絵:歌川国安
 作:文尚堂虎円 
 
 出版年:文政3年(1820)  版元:丸屋文右衛門
 合巻 2冊

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 文政5年(1822)    

 看々踊きんらの唐金
 絵:歌川国安
 作:蘭奢台薫
  
 出版年:文政5年(1822)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 5冊

 小柳縞阿娜帯止
 絵:歌川国安
 作:墨川亭雪麿
  
 出版年:文政5年(1822)  版元:丸屋文右衛門
 合巻 6冊

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 文政6年(1823)    

 朝皃合秋七草
 絵:歌川国安
 作:二代恋川春町
  
 出版年:文政6年(1823)  版元:丸屋文右衛門
 合巻 3冊

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 文政7年(1824)    

 誂染由縁廼色揚
 絵:歌川国安
 作:江南亭唐立 
 
 出版年:文政7年(1824)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 4冊

 通神百夜車
 絵:歌川国安
 作:西川光信 
 
 出版年:文政7年(1824)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 2冊

 躾方浮世諺
 絵:歌川国安
 作:蘭奢亭薫  
 出版年:文政7年(1824)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 2冊

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 文政8年(1825)    

 東風流妹背鞠唄
 絵:歌川国安
 作:晋米斎玉粒
 
 出版年:文政8年(1825)  版元:伊藤与兵衛
 合巻 3冊

 会席料理世界も吉原
 絵:歌川国安
 作:市川三升 
 
 出版年:文政8年(1825)  版元:岩戸屋喜三郎
 合巻 6冊

 其俤白石噺
 絵:歌川国安
 作:2代・恋川春町
  
 出版年:文政8年(1825)  版元:丸屋文右衛門
 合巻 5冊

 春小袖門松模様
 絵:歌川国安
 作:山東京山 
 
 出版年:文政8年(1825)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 4冊

 八人芸楽屋種本
 絵:歌川国安
 作:江南亭唐立
  
 出版年:文政8年(1825)  版元:丸屋文右衛門
 合巻 4冊

 再度敵討也実
 絵:歌川国安 北尾美丸
 作:二代・恋川春町
  
 出版年:文政8年(1825)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 6冊
 前編3冊を美丸が、後編3冊を国安が描く

 駱駝之世界
 絵:歌川国安
 作:  
 出版年:文政8年(1825)  版元:守屋治兵衛 

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 文政9年(1826)    

 笠松峠雨夜菅蓑
 絵:歌川国安
 作:墨川亭雪麿
  
 出版年:文政9年(1826)  版元:丸屋文右衛門
 合巻 6冊

 敵討四手垂駕
 絵:歌川国安
 作:市川三升
  
 出版年:文政9年(1826)  版元:山本平吉
 合巻 6冊

 夫婦松連理鉢植
 絵:歌川国安
 作:山東京山
  
 出版年:文政9年(1826)  版元:森屋治兵衛
 合巻 6冊

 濱真砂築地白浪
 絵:歌川国安
 作:市川三升
  
 出版年:文政9年(1826)  版元:岩戸屋喜三郎
 合巻 6冊

 情競傾城嵩
 絵:歌川国安
 作:坂東秀桂
  
 出版年:文政9年(1826)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊

 当世戯子目付絵
 いろは短歌

 絵:歌川国安 作:  
 出版年 文政9年(1826)  版元 鶴屋喜右衛門
 芝居本 2巻(落丁あり) 当世戯子目付絵といろは短歌を合冊
 

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 文政10年(1827)    

 弓削道鏡物語
 絵:歌川国安
 作:十返舎一九
  
 出版年:文政10年(1827)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊

 伊達模様廓寛潤
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升
 出版年:文政10年(1827)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 5冊

 菅原実伝記
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升 
 
 出版年:文政10年(1827)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 5冊

 四天王其源
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升
  
 出版年:文政10年(1827)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 5冊

 義経誉軍扇
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升
  
 出版年:文政10年(1827)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 5冊

 長壁太郎譚
 絵:歌川国安
 作:二代楚満人(為永春水)  
 出版年:文政10年(1827)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊

 面白妙須磨雪平
 絵:歌川国安
 作:東里山人
  
 出版年:文政10年(1827)  版元:和泉屋市兵衛
 合巻 6冊

 女船頭矢口之渡
 絵:歌川国安
 作:二代恋川春町
  
 出版年:文政10年(1827)  版元:丸屋文右衛門
 合巻 5冊

 開運子松山噺
 絵:歌川国安
 作:市川三升 
 
 出版年:文政10年(1827)  版元:和泉屋市兵衛
 合巻 6冊

 鎌倉山黄金廼千代鶴
 絵:歌川国安
 作:市川三升
  
 出版年:文政10年(1827)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 冊

 家財繁栄抄
 絵:歌川国安 歌川貞景
 作:十返舎一九
  
 出版年:文政10年(1827)  版元:山口屋藤兵衛
 合巻 4冊
 前編2冊を貞景、後編2冊を国安が描く

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 文政11年(1828)    

 有喜世諺艸
 絵:歌川国安
 作:十返舎一九
  
 出版年:文政11年(1828)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 2冊

 塩汲車輪廻仇討
 絵:歌川国安
 作:二代恋川春町
  
 出版年:文政11年(1828)  版元:和泉屋市兵衛
 合巻 6冊

 伊達姿辰巳八景
 絵:歌川国安
 作:市川團十郎
 出版年:文政11年(1828)  版元:山本千吉
 合巻 6冊

 風俗女西遊記
 絵:歌川国安
 作:二代楚満人
  
 出版年:文政11年(1828)  版元:西村屋与八
 合巻 6冊

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 文政12年(1829)    

 喜怒哀楽堪忍袋
 絵:歌川国安
 作:式亭虎之助
  
 出版年:文政12年(1829)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊

 盛衰記摺鉢無間
 絵:歌川国安
 作:墨川亭雪麿
  
 出版年:文化12年(1829)  版元:山本平吉
 合巻 5冊

 風俗金魚伝 上編
 絵:歌川国安
 作:曲亭馬琴 
 
 出版年:文政12年(1829)  版元:森屋治兵衛
 合巻 6冊

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 天保1年(1830)    

 三國志画伝
 絵:歌川国安
 作:重田貞一(十返舎一九) 
 出版年:天保1年(1830)~天保6年(1835)
 版元:仙鶴堂 他  合巻10編 作者の一九は天保2年(1831)に死去。すべてが出版される前に亡くなった。

 御誂替島廻
 絵:歌川国安
 作:十返舎一九
   
 出版年:天保1年(1830)  版元:西村屋与八
 合巻 2冊

 怪談春雨草紙
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升
  
 出版年:天保1年(1830)  版元:山本平吉
 合巻 6冊

 魁梅枝曽我
 絵:歌川国安
 作:十字亭三九
  
 出版年:天保1年(1830)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 6冊

 三国妖狐殺生石
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升
   
 出版年:天保1年(1830)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 20冊

 双面桂川水
 絵:歌川国安
 作:式亭三馬(遺稿)
  
 出版年:天保1年(1830)  版元:和泉屋市兵衛
 合巻 6冊

 相撲推故伝
 絵:歌川国安 歌川国直
 作:二代立川焉馬
  
 出版年:天保1年(1830)  版元:岩戸屋喜三郎
 合巻 12冊(8冊)
 1,2編8冊は国安が、3編(天保3年刊)は国直が描く

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 天保2年(1831)    

 新金瓶梅
 絵:歌川国安・歌川国貞
 作:曲亭馬琴
  
 出版年:天保2年(1831)~  版元:
 合巻 10編80冊(2集16冊) 国安は全10集の内の第2集まで描いたが、天保3年(1832)に死去したため以降は国貞が描く

 合物端歌弾初
 絵:歌川国貞 歌川国安
 作:笠亭仙果  
 出版年:天保2年(1831)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 8冊(4冊)
 前帙4冊を国貞、後帙4冊を国安が描く

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 天保3年(1832)以降    

 梅暦魁草紙
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升
  
 出版年:天保3年(1832)  版元:山本平吉
 合巻 6冊

 女眉間尺
 絵:歌川国安
 作:十返舎一九 
 
 出版年:天保3年(1832)  版元:森屋治兵衛
 合巻 6冊

 十二雄雌赤友録
 絵:歌川国安
 作:歌扇亭三ツ丸
   
 出版年:天保3年(1832)  版元:丸屋甚八
 合巻 8冊

 復讐相宿噺
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升
  
 出版年:天保3年(1832)  版元:佐野屋喜兵衛
 合巻 6冊

 ちょちょら著聞集 初編
 絵:歌川国安
 作:曲亭馬琴 
 
 出版年:天保3年(1832)  版元:西村屋与八
 合巻 8冊


 五節供稚童講釈 後編
 絵:歌川国安
 作:山東京山 
 
 出版年:天保4年(1833)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 8冊

 霞帯〆如月
 絵:歌川国安
 作:五柳亭徳升
  
 出版年:天保4年(1833)  版元:鶴屋喜右衛門
 合巻 4冊

 七奇越後砂子
 絵:歌川国安
 作:墨川亭雪麿
  
 出版年:天保4年(1833)  版元:佐野屋喜兵衛
 合巻 6冊

 両顔忍夜桜
 絵:歌川国安
 作:二代立川焉馬
  
 出版年:天保4年(1833)  版元:和泉屋市兵衛
 合巻 8冊

 千代見草調富貴組
 絵:歌川国安
 作:笠亭仙果
  
 出版年:天保5年(1834)  版元:山本平吉
 合巻 4冊

 風俗金魚伝 三編~五編
 絵:歌川国安
 作:曲亭馬琴
 
 出版年:天保9年(1838)  版元:大黒屋平吉
 合巻12冊
 

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