浮世絵 菱川師宣 
   
 
    

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菱川師宣 (ひしかわ もろのぶ)

 菱川師宣は元和4年(1618)現在の千葉県鋸南町保田の縫箔(ぬいはく=刺繍と摺箔を用いて布地に模様を表すこと)を営む家に生まれたとされるが、生年は寛永7年(1630)とする説もあり確定していない。江戸に出て、縫箔業に従事しながら土佐派、狩野派などの伝統的な絵画の技法を学び、世相に敏感な仮名草子などの挿絵を描くことで独自の画風を会得していったと思われます。縫箔業から離れ絵師に転じて、当時の絵師が肉筆画を作画の中心とする中で師宣は絵草子の挿絵、版画を主体として活躍する。自ら大和絵師と名乗り、それまで絵草子などの版本には絵師の名前を記載することはなかったが、師宣が初めて名前を記したことでも知られている。
 師宣の描いた絵草子などの挿絵は一枚絵の摺リ物として出版され、浮世絵を手軽に多くの人が手にすることが可能となった。また多くの弟子を育てて浮世絵版画という絵画のジャンルを確立して浮世絵師の祖として、またその自由で大らかな画風は以後の浮世絵師の手本となった。没年は元禄7年(1694)とされている。

 やっこ俳諧 
 絵:菱川師宣
 編:可徳
 出版年:寛文7年(1667)  版元:うろこや
 やっこ俳諧は奴詞(六法詞)で綴られた俳諧。寛文期に流行った。挿絵を描いた絵師の名は記載されていないが菱川師宣と推定。
 

 吉原讃嘲記時之太鼓
 絵:菱川師宣 
 出版年:寛文7年(1667)  版元:
 吉原評判記 現存本でなく希書複製会出版の複製本の写しです 

 義経記
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:寛文10年(1670)  版元:吉野家惣兵衛
 挿絵は全部で80図あり、画風から師宣が描いたと推定。寛永期刊本と比べ行数が12行から14行になり、その分ページ数が減。
 

 源氏小鑑 
 絵:菱川師宣
 作:花山院長親
 出版年:延宝3年(1675)  版元:鶴屋喜右衛門
 源氏物語のダイジェスト版
 

 江戸雀
 絵:菱川師宣
 作:近行遠通
 出版年:延宝5年(1677)  版元:鶴屋喜右衛門
 地誌 12巻 
 江戸で開板された初めての江戸の案内書。

 伊勢物語平詞 
 絵:菱川師宣
 作:紀ざん計
 出版年:延宝6年(1678)  版元:柏屋与市郎
 仮名草子 2巻
 

 吉原恋の道引 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:延宝6年(1678)  版元:鱗形屋三左衛門
 絵本 1巻
 吉原遊郭案内書。
 

 奈良名所八重桜 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:延宝6年(1678)  版元:柏屋仁右衛門
 地誌 12巻
  

 初春のいわい
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:延宝6年(1678)  版元:
 絵本 1巻  現存本ではなく希書複製会が大正12年に出版した複製本の写しです

 自賛可註 
 絵:菱川師宣
 作:宗祇
 出版年:延宝7年(1679)  版元:須原屋茂兵衛
 菱川吉兵衛の署名あり。
 

 小倉山百人一首 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:延宝8年(1680)  版元:本問屋
 掲載本の旧持ち主の太田南畝の記録あり。現存本は他にフランス国立図書館が所有するだけ。
   

 大和絵つくし 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:延宝8年(1680)  版元:鱗形屋三左衛門
 絵本 1巻。
  

 余景作り庭の図 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:延宝8年(1680)  版元:柏屋与市郎
 庭造り指南書
 

 吉原下職原
 絵:菱川師宣 
 出版年:天和1年(1681)  版元:
 遊女を官位に似せた名称に倣って位付けしたもの。現存本でなく希書複製会出版の複製本の写しです 

 卜養狂歌集 
 絵:菱川師宣
 編:半井卜養
 出版年:天和1年(1681)  版元:
 狂歌絵本 1巻
 

 狂歌たび枕 
 絵:菱川師宣
 作:野々村信武
 出版年:天和2年(1682)  版元:酒田屋
 狂歌絵本 2巻
 

 名所和歌の道引 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:天和2年(1682)  版元:松会
 和歌絵本 2巻
 

 千代の友つる
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:天和2年(1682)  版元:松会
 絵本 3巻 
 

 このごろくさ
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:天和2年(1682)  版元:松会
 絵本 1巻

 貞徳狂歌集
 絵:菱川師宣
 作:松永貞徳
 出版年:天和2年(1682)  版元:柏屋与市
 狂歌絵本 3巻
 

 東叡山名所
 絵:菱川師宣
 作:菱川師宣
 出版年:天和2年(1682)  版元:三河屋七右衛門
 地誌 1巻
 

 藤川和歌百首
 絵:菱川師宣
 編:藤原定家
 出版年:天和3年(1683)  版元:鱗形屋
 和歌絵本 2巻
 

 岩木絵尽し
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:天和3年(1683)  版元:鱗形屋
 絵本 1巻

 美人絵尽し 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:天和3年(1683)  版元:鱗形屋 
 絵本 1巻

 武左衛門口伝咄
 絵:菱川師宣
 作:鹿野武左衛門 
 出版年:天和3年(1683) 版元:鱗形屋
 咄本 2巻
 

 浮世続 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享1年(1684)  版元:鱗形屋
 初版は天和2年。版木焼失、再刻して出版。遊女、野郎など当時の風俗を描く。師宣代表作の一つ。現存本は非常に少ない。
 

 団扇絵尽し 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享1年(1684)  版元:鱗形屋
 見開き20ページに故事、伝承などを題材とした団扇と扇子の絵柄を描く。
 

 当世早流雛形
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享1年(1684)  版元:鱗形屋
 当時流行の着物絵柄集
 

 大和侍農絵づくし
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享1年(1684)  版元:鱗形屋三左衛門
 士農工商の姿絵。

 好色一代男(江戸版)
 絵:菱川師宣
 作:井原西鶴
 出版年:貞享1年(1684)  版元:川崎七郎兵衛
 浮世草子 8巻 西鶴処女作。天和2年(1682)に大坂で出版。2年後に師宣の挿絵に替えて出版。 
 

 源氏大和絵鑑 
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享2年(1685)  版元:鱗形屋
 源氏物語54帖を各帖1ページに描く。
 

 山三情之通路
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享2年(1685)  版元:鱗形屋
 浄瑠璃「名古屋山三郎」を題材とした物語。
 

 和国諸職絵つくし
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享2年(1685)  版元:
 和歌絵本 1巻 七十一番職人歌合せを基に、職人の絵姿を菱川師宣が描く。但し31番しかない。
 

 梅のかおり
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享4年(1687)  版元:
 浮世草子 5巻
 

 大和武者絵
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:貞享年間  版元:鱗形屋三左衛門
 源平合戦を中心とした武者絵、合戦記。初版は天和3年(1683)
 

 みや支野
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:  版元:山本九左衛門
 和歌絵本 1巻 「みや支野」は旧所蔵家の添え書きによるもの。草花と男女の絵。それに因んだ和歌を添える。
 

 四天王
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:元禄年間(1688~1703)  版元:
 絵入浄瑠璃本 1巻
 

 十二月のしなさだめ
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:元禄4年(1691)  版元:鱗形屋
 12月の年中行事。
 

 みだれかみ
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:元禄4年(1691)  版元:
 絵本 2巻
 

 正直咄大鑑
 絵:菱川師宣
 作:石川流宣
 出版年:元禄7年(1694)  版元:万屋清兵衛
 咄本 5巻 初版は貞享4年(1687)
 

 姿絵百人一首
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:元禄8年(1695)  版元:木下甚右衛門
 和歌絵本 1巻
 小倉百人一首の絵絵、菱川師宣が絵描く。
 

 和国百女
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:元禄8年(1695)  版元:
 絵本 1巻
 

 和国名所鑑
 絵:菱川師宣
 作:
 出版年:元禄9年(1696)  版元:
 地誌 1巻 諸国名所案内書
 


 職人尽倭画
 絵:菱川師宣 
 絵巻 2巻
 師宣の原画を塚本武秀が模写。江戸の職人を描く。 

 元禄絵巻吉原之図
 絵:菱川師宣
 現存作品ではなく明治28年に画博堂から出版された複製本(著作権保護期間満了) の写しです

 四季遊楽絵巻 
 絵:菱川師宣
 現存作品ではなく大正3年に国華社から出版された複製本(著作権保護期間満了) の写しです 

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