浮世絵 滑稽本 
   
 
    

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滑稽本

 洒落本が遊里の世界の通意識や粋な遊びといった性格を失って衰退していくのに続いて、そこから脱出するように新しい方向を目指した文学の形態が生まれてくる。もっとも、洒落本が遊里の通意識や粋な遊びといった性格を失っていったのは書き手である戯作者だけの変化ではなく、遊里そのものの変化があり、洒落本を受け入れる社会、読者層の変化があったことは想像できる。こうした変化を敏感に受け取って新しい作風の戯作者が現れてくる。
 町人出身(あるいは武士であったが町人として生活した者)の式亭三馬や十返舎一九は形骸化した洒落本からいち早く抜け出し、市井・俗事の可笑しさを主題とした新しい文学形態を作り出して滑稽本というジャンルを定着させた。またこうした背景には寛政末から文化年間に掛けて小噺、落噺(おとしばなし)の流行があったことも関連する。三馬は銭湯を題材とした落噺にヒントを得て代表作である「浮世風呂」を出版した。一九は庶民の生活感情を読み取って「浮世道中膝栗毛(東海道中膝栗毛)」を出版する。
 三馬、一九以降の戯作者は二人の真似に留まり、新しい創意工夫が見られなかった。更には江戸市井の人々の日常生活や遊びの描写も誇張され、低俗化してゆく。

 龍宮船
 絵:
 作:張朱隣
 
 出版年:宝暦3年(1753)  版元:
 滑稽本 3巻
 

 当世花街談義
 絵:
 作:
 
 出版年:宝暦4年(1754)  版元:伏見屋吉兵衛
 滑稽本 5巻
 

 滑稽談義
 絵:月岡雪鼎
 作:桂井蒼八 
 出版年:宝暦9年(1759)  版元:吉文字屋治郎兵衛
 滑稽本 4巻
 

 水濃往方
 絵:
 作:平秩東作
 
 出版年:明和1年(1764)  版元:
 滑稽本 4巻 

 一子相伝極秘巻
 絵:北尾重政
 作:半田山人 
 出版年:明和7年(1770)  版元:大和田安兵衛
 滑稽本 5巻
 

 絵合六本杉
 絵:
 作:青紅友耕
 
 出版年:安永7年(1778)  版元:野田藤八
 滑稽本 5巻 

 当世杜撰商
 絵:
 作:長川幸慶子
 
 出版年:安永7年(1778)  版元:鱗形屋孫兵衛
 滑稽本 1巻
 

 七拳図式
 絵:
 作:四方赤良
 
 出版年:安永8年(1779)  版元:西村源六
 滑稽本 1巻
 掲載本は天保1年(1830)の再版本です。 

 情廓三十三番無陀所
 絵:
 作:北松亭畔水
 
 出版年:安永9年(1780)   版元:
 滑稽本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です 

 当世導通記
 絵:
 作:天竺老人 
 出版年:天明2年(1782)  版元:川喜田市右衛門
 滑稽本 2巻 

 京伝工夫小紋形
 絵:北尾政演
 作:山東京伝
 
 出版年:天明4年(1784)  版元:白鳳堂
 滑稽本 1巻
 

 志やれ染手拭合
 絵:北尾政演
 作:万象亭 
 出版年:天明4年(1784)  版元:白鳳堂
 滑稽本 1巻 

 指面草
 絵:北尾政演
 作:山東京伝 
 出版年:天明6年(1786)  版元:鶴屋喜右衛門
 滑稽本 1巻 

 身体山吹色
 絵:
 作:都扇舎千代見
 
 出版年:寛政11年(1799)  版元:伊勢屋徳兵衛
 滑稽本 5巻
 

 東海道中膝栗毛
 絵:十返舎一九
 作:十返舎一九
 出版年:享和2年(1802)~文化6年(1809)  
 版元:椀屋伊兵衛 他
 滑稽本 8編 18冊

 滑稽素人芝居
 絵:歌川豊国
 作:桜川慈悲成
 出版年 享和3年(1803)  版元 大和屋久兵衛
 滑稽本 1巻

 諸用附会案文
 絵:十返舎一九
 作:十返舎一九 
 出版年:文化1年(1804)  版元:上総屋忠助
 滑稽本 1巻
 

 旧観帖 初編
 絵:
 作:感和亭鬼武
 
 出版年:文化2年(1805)  版元:釜屋又兵衛
 滑稽本 3巻 

 旧観帖 二編
 絵:
 作:感和亭鬼武 
 出版年:文化3年(1806)  版元:釜屋又兵衛
 滑稽本 3巻 

 劇場訓蒙図彙
 絵:勝川春英・歌川豊国
 作:式亭三馬
 
 出版年:文化3年(1806) 版元:上総屋忠助
 滑稽本 8巻(4冊に纏め)  現存本ではなく明治時代に和漢洋書籍出版所から刊行された複製本。挿絵は第7巻のみ歌川豊国が描く。

 文字の知画
 絵:十返舎一九
 作:十返舎一九
 
 出版年:文化4年(1807)  版元:
 滑稽本 1巻 

 馬士の歌嚢
 絵:十返舎一九
 作:十返舎一九 
 出版年:文化4年(1807)  版元:
 滑稽本 1巻 

 夷国滑稽羽栗毛
 絵:魚屋北溪
 作:宇多楽庵嬉丸 
 出版年:文化4年(1807)  版元:
 滑稽本 1巻 

 田舎芝居 楽屋雑談
 絵:鳥居清峯
 作:七文舎鬼笑
 
 出版年:文化6年(1809) 版元:
 滑稽本 1巻 

 煙草二抄
 絵:歌川豊国
 作:山東京山 
 出版年:文化7年(1810)  版元:竹川藤兵衛
 滑稽本 1巻 

 駅路之鈴
 絵:勝川春扇
 作:東里山人
 
 出版年:文化8年(1811)  版元:岩戸屋喜三郎
 滑稽本 1巻 

 口切のせりふ
 絵:勝川春扇
 作:東里山人
 
 出版年:文化8年(1811)  版元:岩戸屋喜三郎
 滑稽本 1巻 

 客者評判記
 絵:歌川国貞
 作:式亭三馬 
 出版年:文化8年(1811)  版元:鶴屋金助
 滑稽本 3巻 

 一盃綺言
 絵:歌川豊国
 作:式亭三馬
 出版年:文化10年(1813)  版元:石渡利助
 滑稽本 1巻

 蔵意抄
 絵:歌川国貞
 作:万寿亭正二
 
 出版年:文化10年(1813)  版元:西村源六
 滑稽本 1巻 

 春廿三夜待
 絵:歌川国貞
 作:岡山鳥 
 出版年:文化11年(1814)  版元:柏屋半蔵
 滑稽本 3巻 

 栗毛後駿足
 絵:歌川国直
 作:滝亭鯉丈
 
 出版年:文化14年(1817)  版元:連玉堂
 滑稽本 2巻
 

 丘釣話
 絵:錦亭鳴虫
 作:岡山鳥 
 出版年:文政2年(1819)  版元:堺屋国蔵
 滑稽本 1巻
 

 忠臣蔵楽屋問答
 絵:歌川国直
 作:十返舎一九 
 出版年:文政3年(1820)  版元:丸屋文右衛門 
 滑稽本 1巻

 牛島土産
 絵:溪斎英泉
 作:滝亭鯉丈 
 出版年:文政7年(1824)  版元:越前屋長次郎 
 滑稽本 3巻

 北里十二時
 絵:魚屋北溪
 作:石川雅望 
 出版年:  版元:
 滑稽本 1巻 

 蝙蝠考
 絵:
 作:笠亭仙果 
 出版年:天保2年(1831)  版元:文林堂
 滑稽本 1巻
 

 口上茶番早合点
 絵:歌川国貞
 作:五柳亭徳升
 
 出版年:天保5年(1834)  版元:川口宇兵衛
 滑稽本 1巻
 

 宝合勢貢之蔵入
 絵:歌川貞秀
 作:林家正蔵 
 出版年:天保8年(1837)  版元:西村屋与八
 滑稽本 3巻 

 伊勢土産二見盃
 絵:春斎英笑
 作:滝亭鯉丈 
 出版年:天保9年(1838)  版元:越前屋長次郎
 滑稽本 2巻
 

 滑稽五穀太平記
 絵:歌川国直
 作:戯作舎鬼笑
 
 出版年:弘化1年(1844)  版元:山田屋佐助
 滑稽本 2巻 

 滑稽富士詣
 絵:歌川芳虎
 作:仮名垣魯文
 
 出版年:万延1年(1860)  版元:芙蓉堂
 滑稽本 7編14巻 

 浮世講談
 絵:歌川芳春
 作:柳水亭種清
 
 出版年:万延1年(1860)  版元:錦耕堂
 滑稽本 2巻 

 江戸久居計
 絵:歌川芳幾
 作:岳亭春信
 
 出版年:文久1年(1861)  版元:
 滑稽本 1巻 

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 滑稽本 巻 

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