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日本永代蔵 1  (にっぽん えいたいぐら)
 浮世草子 6巻  絵師:  作者:井原西鶴  出版:貞享5年(1688) 版元:森田庄太郎 

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 「日本永代蔵(にっぽんえいたいぐら)」は貞享5年(1688)※、版元森田庄太郎から出版された。町人の経済生活を初めて小説として取り上げた文学史上画期的な作品とされる。6巻に30の短編がおさめられ、それぞれに商人の成功談・教訓が描かれている。※貞享5年9月に元禄元年に改元されるが、出版は正月にされたので貞享5年刊とした。
 西鶴が理想とした商人は一体どのような人物であるのか。この永代蔵に登場する成功者が西鶴の理想とする商人なのか。西鶴は、現代風にいえばアメリカンドリームが実現できる社会(浮世)、出目や出生に関係なく、おのれの才覚・努力によって分限者(大尽)になれる浮世である事が、西鶴の思想の根底にあったのではないのか。でなければ、タブーを打ち破ろうとした”好色一代男”も単なる荒唐無稽の好色的娯楽読物でしかない。
 とはいえ現実の浮世はそんな思いとは程遠い。徳川幕府による封建体制がますます強化される中で商人の自由な発想や活動は更に抑え込まれてゆく。既に大商人となったいわば既得権者の大商人は、銀(かね)が銀(かね)を産む世の中で更に巨大になる。徒手、裸一貫の若者に夢を語るだけでは何も変わらないことは西鶴自身も痛いほどわかっていたのだろう。だからと言って商人に儒教的精神・武士道的精神を説くのであれば、やはり西鶴も浮世に負けたのか。いや、そうではなく貧しても鈍しない、悪銭を得るくらいなら清貧であろうとする現在にもつながる商人の理想像(私には息がつまる思いがするが)を作り上げたかったのか。
 


@初午に乗って来る仕合せ
A二代目に破る扇の風
B浪風静かに神通丸
C昔は掛算今は当座銀
D世は欲の入札に仕合せ 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

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