江戸中期、宝永(1704〜)頃から大坂で流行した略画体の戯画を鳥羽絵と称している。語源の”鳥羽”は平安時代の名僧・鳥羽僧正(覚猷=かくゆう)から。鳥羽僧正が描いた絵はユーモアと風刺的な作風で今日の漫画の祖であるともされている。因みに「漫画」という表現は山東京伝(絵は北尾重政)が寛政10年(1798)に出版した「四時交加」の序文で使ったのが初めてとされる。
鳥羽絵の特徴は手足が長く、目は黒丸か一文字、大きな口を持ち、動作は誇張されて描かれている。主な絵師としては大岡春卜、長谷川光信、竹原春朝斎、松屋耳鳥斎など。その他に風刺画などで鳥羽絵の手法を用いて描かれているものも多い。 |