浮世絵 俳諧・川柳絵本 
   
 
    

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俳諧・川柳絵本 (はいかい・せんりゅうえほん)  

 日本の文学史上に「俳諧」という語が初めて見られるのは古今和歌集雑躰(ざつてい)の部に収められた五十八首の「誹(俳)諧歌(はいかいか)」であるという。なお「誹」は”そしる”という意味であり「俳」は”たわむれる”という意味であるが、当時はこれらが混同して使用されていたようで「俳諧」と記すことが正しいとされる。古今集での俳諧歌は”縁語や掛詞(かけことば)などを用いて本質をそれとなく遠回しに表現した戯れの歌・あるいは滑稽の歌”と理解されていたようである。
 近世において「俳句」という語は「俳諧の句」を縮めた語として用いられていたが、この場合の俳句は連句における「発句(ほっく)」と「付句(つけく)」を合わせたもの。「発句」は連句の発端の句を意味し、それに続く「付句」を予想して詠まれたもの。ただし古くから発句を独立したものとして詠むことも行われていたが、連句の場合の発句を「立句」、独立した発句を「地発句」として区別していた。明治時代になってから連句が廃れ「俳句」が「発句」を意味するようになり今日の「俳句」という語が一般化したようだ。
 独立した発句の文学的地位を今日の俳句にまでに高めたのは芭蕉による功績が大きい。これとは別に雑俳(ざっぱい)」と呼ばれる俳諧から派生したさまざまな様式の句が生まれた。その中で今日の「川柳」と呼ばれる句が台頭する。もともと初心者の練習用に「前句付(まえくつけ)」による発句が詠まれていたが、これが次第に前句付のない一句立てとしても詠まれるようになった。「川柳」は芭蕉が確立した俳諧の特性である季語や切れ字の制約がなく、口語体を用い、自然よりも世相や人情を主要題材として滑稽句の性格を持っていた。ちなみに「川柳」の語源はこの句の大成者初代柄井川柳 (生年享保3年・1718~没年寛政2年・1790)から。
 俳諧といえば芭蕉の重い生真面目な俳句を、川柳といえば軽妙な世情・人情句を思い浮かべてそれぞれ別個のものと解釈されることも多いが、いずれも出発点は平安時代の和歌に内在する知的な笑いから。様々な経緯を経て江戸時代には十七文字で構成された俳句、川柳が完成した。なにより俳句も川柳も特殊な人々のものでなく貴賤の別なく広く一般人にも気軽に楽しめる文学であることが素晴らしい。

 追分絵
 絵:等磧
 編:珍舎
 出版年:寛永6年(1629)  版元:
 俳諧絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 いなご
 絵:斎藤如泉
 吟:北村季吟
 出版年:明暦4年(1658)  版元:
 俳諧絵本 2巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 百人一句
 絵:
 作:
 出版年:寛文7年(1667)  版元:洛下書林
 俳諧絵本 1巻
 

 休息句会
 絵:
 編:野々口立圃
 出版年:寛文頃(1661~1672)  版元:
 俳諧絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 大阪誹歌仙
 絵:
 作:
 出版年:延宝1年(1673)  版元:
 俳諧絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 宮城野
 絵:
 編:釣竿子
 出版年:延宝3年(1675)  版元:
 俳諧絵本 3巻 草花を背景に俳諧、和歌などを書き入れ。
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
  

 高名集
 絵:
 編:梅林軒風黒
 出版年:天和2年(1682)  版元:深江屋太郎兵衛
 俳諧絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 難波色紙百人一首
 絵:
 作:
 出版年:天和2年(1682)  版元:
 俳諧絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 豊世見久佐
 絵:
 編:朝鴬軒梅水
 出版年:天和3年(1683)  版元:
 俳諧絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 誹諧童子教
 絵:
 作:
 出版年:元禄7年(1694)  版元:
 俳諧絵本 3巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 水馴棹
 絵:
 編:立羽不角
 出版年:宝永2年(1705)  版元:
 俳諧絵本 3巻(前句付高点句集)
 

 俳諧絵文庫
 絵:
 撰:松井立詠
 出版年:享保7年(1722)  版元:庄左衛門
 俳諧絵本 2巻
 

 江戸名物鹿子
 絵:
 撰:豊嶋治左衛門
 出版年:享保18年(1733)  版元:須原屋与兵衛
 俳諧絵本 2巻 上中下3巻のうち中巻が欠
 

 俳諧時津風
 絵:
 編:尾雨亭果然
 出版年:延享2年(1745)頃  版元:
 俳諧絵本 1巻
 

 その菊
 絵:
 編:仙魚(瀬川菊次郎)
 出版年:寛延4年(1751)  版元:
 俳諧絵本 巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 壮盛末摘花
 絵:石川豊信
 作:
 出版年:宝暦7年(1757)  版元:鱗形屋孫兵衛
 川柳絵本 1巻
 

 俳諧百一集
 絵:
 編:八椿舎泰工
 出版年:明和2年(1765)  版元:橘屋治兵衛
 俳諧絵本 2巻
 

 俳諧名物鑑
 絵:
 編:反古斎果然
 出版年:明和8年(1771)  版元:好間堂茂志雄
 俳諧絵本 3巻 延享2年(1745)頃に刊行された「俳諧時津風」の再版増補版。現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 俳諧心の友
 絵:
 作:
 出版年:安永3年(1774)  版元:池田屋伝兵衛
 俳諧絵本 1巻
 

 世都の登起
 絵:北尾重政
 作:一陽井素朴
 出版年:安永3年(1774)  版元:須原市兵衛
 俳諧絵本 3巻
 

 蕪村・奥の細道
 絵・書:与謝蕪村
 作:松尾芭蕉
 出版年:安永7年(1778)  版元:
 俳諧絵巻 2巻 芭蕉の紀行文「おくのほそ道」を書き写し挿絵を加え絵巻にしたもの。芭蕉は元禄2年(1689)に旅行している
 

 役者手かがみ
 絵:礒田湖龍斎
 編:花吸庵
 出版年:安政8年(1779)  版元:伏見屋善蔵
 俳諧絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 誹諧名所折
 絵:北尾重政
 編:谷 素外
 出版年:安永10年(1781)  版元:須原市兵衛
 俳諧絵本 2巻
 

 新花摘
 絵:与謝蕪村
 作:与謝蕪村
 出版年:天明4年(1784)  版元:
 俳諧絵本 1巻
 現存本ではなく希書複製会から刊行された複製本です。
 

 魚貝譜
 絵:蕙斎(北尾政美)
 編:一陽井素外
 出版年:享和2年(1802)  版元:須原屋市兵衛
 俳諧絵本 1巻
 

 小倉百句
 絵:北斎辰政(葛飾北斎)
 作:反古庵白猿(五代目団十郎
 出版年:享和3年(1803)  版元:今福屋勇助
 俳諧絵本 1巻
 

 萍水奇画
 絵:北斎・浪花立好斎
 編:暮雨巷帯梅
 出版年:文化15年(1818)  版元:永楽堂東四郎
 俳諧絵本 2巻
 浪花立好斎の風景画を背景に北斎が人物を描く
 

 ひとり発句
 絵:
 吟:惠厚尼亀臺
 出版年:  版元:
 俳諧絵本 2巻
 


 江戸名所発句合
 絵:三代歌川豊国
 作:
 出版年:弘化1年(1844)  版元:上金
 俳諧浮世絵
 

 俳家書画狂題
 絵:三代歌川豊国
 作:
 出版年:弘化4年(1847)~嘉永5年(1852)
 版元:中仁 
 俳諧浮世絵 俳諧に役者絵を添える
 

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 俳諧絵本
 

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