着物の模様のデザイン集。この時代にこの草紙の需要がどれほどであったのか興味のあるところだが、それを知る資料がない。商人の活動が活況を迎えていた時代の寛文7年(1667)に出版されているので、それなりの購買層がいたことが推測される。タイトルに”新撰”とあるから、これ以前にもこの種の草紙があったのではと思われるが、国立国会図書館のデジタル化資料にはこの草紙より以前に出版されたものは見つからなかった。これ以後については何冊かあるので、これを必要とした人が常にいたのだろう。この種の草紙が出版され続けることができたのは、それだけ安定した社会であった証拠なのだろうか。
序文は浅井了意の号である「瓢水子」名で書かれている。絵を描いたのは、最後のページにそれらしき名前があるように見えるのだが、誰だかわからない。この草紙は上下2巻で出版されたが、掲載ボリュームの関係から3分割にした。 |