鳥山石燕(とりやま せきえん)は本名佐野豊房。生家の状況は不明。狩野派門人として狩野周信、玉燕に絵を習う。後に浮世絵を描き、氷川明神、湯島天神、鬼子母神など神社仏閣に絵馬を奉納して世間の注目を得る。一枚摺りの浮世絵は(ほとんど)なく、絵本が活躍の舞台。石燕の描く絵は主として妖怪で、その妖怪も恐怖心を与えるものでなく、奇妙さや、微笑みさえも与えるもの。現代の漫画家である水木しげるの妖怪のイメージにも影響を与えたといわれている。また、拭(ふき)ボカシという技法を発明したことでも知られる。少年期の歌麿を預かり、戯作者恋川春町を育てたともされる。 |