奥村政信(おくむら まさのぶ)。貞享3年(1686)江戸で生まれ、鳥居、菱川の画風を独学で学び、その影響を受けながら独自の画風を創る。元禄末期から宝暦年間まで長くにわたって活躍。この間、自らも版元の経営に参加し、日本橋通塩町(現馬喰町)で奥村屋源八(赤ひょうたんが商標)を営む。墨摺絵、丹絵、漆絵、紅摺絵などのあらゆる形式、役者絵、風景画、武者絵、花鳥画などあらゆるジャンルの絵を手掛けるとともに、遠近法を採り入れた浮絵、一枚物の細絵で柱に飾る”柱絵”、組絵、シリーズものの絵を独創するなどのアイデアマンであった。後の多色刷りの浮世絵(錦絵)が登場する、その先駆けとなった絵師ともされる。 |